痔でお悩みの方へ

4人に1人は痔を経験し、また、症状が出ていない人も含めると、成人の2人に1人に見られると言われております。

お尻の調子がおかしいと自覚していても、はずかしくて、なかなか病院や診療所にかかられない方が多くいます。

そのため、ひどくなってから来院される事があります。
早くから治療をする事により、簡単に、早く治せるものが、ひどくなったために、大変な手術を要する場合もあります。

異常がある時は早めに受診される事をお勧めします。
また、痔になった事がある方は予防に努めましょう。

痔にならないための10箇条」参照。

あなたの症状は何ですか?

と言っても主に3つあり、治療方法も異なります。
まずはどれなのか知りましょう。

痔の主な3つは、いぼ痔、穴痔、切れ痔です。
医学用語にするといぼ痔は「痔核」、穴痔は「痔瘻」、切れ痔は「裂肛」と言います。

肛門周囲の図解

痔核(いぼ痔

痔核は、静脈がうっ血して膨らんだもので、肛門の奥に出来たものを「内痔核」と言い、

肛門の外に出来たものを「外痔核」と言います。
内痔核は出血しやすく、痛みはありませんが、外痔核は出血しませんが、痛みます。

内痔核はほっておくと粘膜が弛んで肛門の外に出てくることがあり、これを「脱肛」と言います。


痔瘻(穴痔)

痔瘻は、肛門の奥にばい菌が入り、膿みがたまり「肛門周囲膿瘍」をつくり、これが皮膚を破って外につながり、膿が出て、肛門と皮膚のトンネルが出来る事を言います。

肛門周囲膿瘍は痛く、赤く腫れ、熱が出ますが、痔瘻では痛みはありませんが、小さな穴があり、膿が出ます。


裂肛(切れ痔)

裂肛は、肛門粘膜が切れたものを言います。
便秘で固い便が出る時に起こりやすいです。
裂肛は強く痛みを感じます。


痔にならないための10箇条

1. 毎日お風呂に入る

お風呂に入ると肛門の血行がよくなり、また清潔にもなるため、痔の予防には大変効果的です。

2. おしりを清潔に保つ

排便後、紙で拭いただけでは便が残ります。排便後はウォシュレットやシャワーで洗うか、水で浸したティッシュペーパーで拭く事をお勧めします。

3. 便秘は良くない

固い便は、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)の原因となります。形のある軟便(歯磨き粉の硬さ)になるよう水分・食物繊維を多くとり、規則正しい食生活、適度な運動をするように注意しましょう。

4. 下痢も良くない

下痢便は、肛門の奥にバイ菌が入り、細菌感染を起こし痔瘻(穴痔)の原因となります。また、排便回数が増え、肛門に負担がかかります。

5. アルコール、刺激物は控える

アルコールには末梢の血流をよくするため、痔核(いぼ痔)からの出血を助長します。胡椒や辛子などの刺激物は、便に混じって出てくるので、痔の痛み腫れの原因となります。

6. おしり・腰を冷やさない

おしりや腰を冷やすと肛門の血流が悪くなり、痔核(いぼ痔)の中に血栓を作り腫れて痛む痔核急性症の原因となるといわれています。 寒い時期は腰にカイロをつけたり、座る時には座ぶとんを引くなど心掛けましょう。

7. トイレはいきまない

長時間強くいきむことは肛門のうっ血や出血をきたすこととなり、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)の原因となります。完全に出そうと、いつまでも強くいきむ習慣はやめましょう。

8. 同じ姿勢を長時間続けない

立ちっぱなしや座りっぱなしや車の運転の姿勢は、肛門がうっ血し、痔核(いぼ痔)の原因となります。時々歩いたり、ストレッチ体操するなどして、肛門の血流循環をよくしましょう。

9. お腹に力がかかる仕事は控える

重いものを持ったり、あまり腹圧をあげるような運動仕事は肛門の鬱血や出血をきたす事となり、痔核(いぼ痔)の原因となります。重いものは小分けにして持つなど工夫しましょう。

10. 医師に相談し、正しい診断を受ける

恥ずかしいあまりに治療せず、悪化して手術を要したり、癌であるのに気付かず手遅れになる事があります。早めに受診して下さい。